2013/06/14

ルノー4GTLについて

みなさんは中古車を購入するときに、どこを見るでしょうか?
外装の傷へこみなどは確認しやすいですが
エンジンやミッションなどの部分はなかなか状態を把握するのは難しいと思います。

そこで今回はルノー4GTLに絞って、動力伝達系を中心に
よく作業する部分を書いていきたいと思います。


 



アクセルワイヤーがタペットカバーについている部分ですが
過去に壊れたのでしょう。
タイラップで止めて仮に直してあるだけの状態です。
ここが分解してしまうと、エンジンが勝手に吹け上がってしまいますので
びっくりされると思います。





本当は、こんな形で成立しています。
アクセルを全開にしたときに、このスプリングが、かすかに縮む位が
丁度良い位置になります。
純正はプラスチック製で、とても高価な部品になってしまいました。
たしか、¥15000以上だったと思います。



オリジナルアクセルストッパーキット
¥5250
(通常スプリングは付属していませんが、必要な場合はご相談ください)
アルミ削り出しで、アルマイト処理をしてあります。




ステアリングラックについている
ラバーカップリングですが、さすがに30年近く前の部品となりますと
亀裂が入っています。
万が一折れたら、ハンドル効かなくなってしまいますから、よく見てみましょう。



リベットで付いていますので、外すのは案外大変です。




ミッション下ろして




クラッチオーバーホールですが
クラッチカバーのダイヤフラムスプリングが
折れる寸前でした。
これが折れてしまいますと、クラッチが切れず走行不能になりますよ。
クラッチが重い場合は要注意です。
とはいえ、重いのかこれが普通なのかわからない場合は
乗ってきていただけれは、標準の範囲かどうか判断させていただきます。

また、重いまま乗っていますと、クラッチワイヤーやペダルのブッシュに
負担が掛かってしまいますので、重ねて注意してください。




ミッションをおろせば、、、




当然のごとく、オイルが漏れていますので
漏れの場所の確認後、クリーニングします。
これが結構大変!




ミッションのフロントカバー内、スピードメーターピニオンの
Oリングとシールの交換


 

デフサイドシールとOリング交換ですが
この場所はデフのプリロードを調整している部分なので
適当に脱着してはいけませんよ。





フロントのハブベアリングですが音と、ガタを見ないといけませんので
走ってみたり、揺すってみたりしないと見えない部分ですね。




この車両も、かなりクラッチが重かったので
ワイヤーの披露を考慮して交換調整しました。
結構、交換にはコツがいる部分です。




エアフィルターのパッキンの部分が切れていました。
これでは、ゴミが通過してしまいます。
汚れているかだけでなく、このようになっていないかも
点検のポイントです。
これは、ネジ1本外せば見ることができますよ。




カムシールよりオイル漏れ。



クランクシールよりオイル漏れ

このへんの、オイル漏れはミッションが乗っている状態ですと
どこから漏れているかはっきりとはわかりません。
オイルパンの漏れにも見えてしまいます。



ミッションを下ろしたのであれば、必ず交換したいですね。




ドライブシャフトブーツ インナー、アウター共に
結構なヒビで、交換しました。
これはステアリングを切って、フェンダーの中を見れば確認できます。



フロントのコンビネーションランプの接触不良です。
バルブの裏あたりであれば、磨くのも簡単ですが
ランプ裏側の金属同士が接触不良になっていますと
一旦リベットを落として、磨いたあとリベットを打ち直さないといけません。
つかないからといって、強く叩くとレンズが割るので注意ですよ。



ラジエターサブタンクのキャップですが、
これも、パッキンのキレ及びヒビ、
後は圧力漏れの不具合があります。
電動ファンが回ったくらいの温度で、漏れている音がしないか確認してください。



ウォーターポンプも結構この場所から漏れていることが多いです。
上から見て、ミッションケースの上にたまっていないかチェックです。




ステアリングラックブーツ切れ
これも、ステアリングを切ってのぞき込めば確認できます。




ラジエターの詰り
これは、サーモスタット、電動ファンスイッチとの兼ね合いがあって
判断が難しいですが、外す機会がありましたら
クリーニングしておけば、状態も把握できるはずです。
ちなみにこれは、結構な時間流しておりましたが
茶色い水は、かなり出てきました。




そして室内へ。
ダッシュを外してバラバラですが、



ヒーターコアの交換でした。
このタイミングでないと、ヒーターコックとヒーターホースの
交換ができませんので、やはり同時交換がオススメです。
ヒーターコックは欠品になりましたが、オーバーホール出来る場合がありますので
ご相談ください。




ヒーターブロアファン、スイッチオンで「ピロロロロロロ」という音が出ていました。
あったまると止まるのですが、モーターのメタルが原因ですので
給油で一旦凌ぐか、交換になります。






ここまで書いてきましたが、自分じゃよくわからない場合は
ご相談ください。
20数年前ですが、R4の新車整備もしていましたので、
新車の状態は分かっていますよ。