ルーテシア3RS LSD取り付けとオイルの話
| Posted in LSD , ミッションオイル , ルノー/ルーテシア3RS | Posted on 2014/05/12
サーキット走行などする方は、一度はLSDを付けてみたいと思ったことがあると思います。
今回そんなオーナー様が、ミッション単体とLSDを持ち込みされまして
組付のオーダーをいただきましたので作業させていただきました。
シール類とベアリングは予めこちらで用意させていただいています。
--------その前にLSD(リミテッド・スリップ・デフ)ってナニ?---------
簡単に言いますと、コーナー内側がロールで荷重が抜け
グリップを失いますと
通常のデフの場合そのグリップのない方のタイヤに
駆動を伝えてしまって、空転してしまいます。
結果、前に進む力が逃げてしまうのに対して、
LSDはコーナー外側、グリップのある方に
駆動を伝えるような構造になっていますので
前進力が発生するというものです。
ルーテシア3RSのミッションアッセンブリーです。
いきなりですが、ミッションケースを外したところです。
デフがカウンターシャフトの下に
かぶってしまっているので
全部のギヤの取り外しが必要になります。
手前の黒いシャフトが制御モジュールで
どこのギアに噛み合わせるか、室内のシフトレバーの動きが最終的に
伝わってくるところです。
シフトフォーク(ギア)は下から1・2、3・4、5・6という並びでして
右側はリバースになっています。
2~3速とかにシフトチェンジする場合は
カウンターシャフト(奥)側のシンクロが開放されてから
メーンシャフト(手前)側のシンクロが噛み合うので
噛み合うギアの列が切り替わります。
またギア以外にも制御モジュール&フォークの
切り替わりもありますので、
入りづらいなどの症状が出やすくなりますね。
フォーク、ギアーなどいろいろ外して・・・・・
ゴロ~ン
やっとデフが外れてくれました。
左がノーマルで、右がLSDです。
リングギアを入れ替えて
サイドベアリングは新品を組みました。
写真はありませんが、セットでアウターレースも打ち替えします。
シール類も全て交換しました。
滅多に分解なんてしないので、消耗品交換の良いタイミングです。
簡単ではありますがミッションの中身が
なんとなくわかっていただけましたでしょうか?
今回は単体での組み込みなので
オイルを入れたりはできませんが
LSDを組み込みますと、
LSD対応のミッションオイルを入れないといけません。
ミッションの中は
ベアリング、シャフトなど:潤滑性能
シンクロ系統:摩擦性能
LSD:摩擦&極圧性能
各部クリアランス:粘度
という相反するオイルの性能が求められており
これらがうまくバランスされていないと
朝一ギアが入りにくいとか、
サーキット走行で熱が上がってしまうとギア鳴りするとか
いろいろな症状が出てきます。
現在ジェイエンジンでは
Moty'sでオリジナルのオイルを作ってもらっていまして
結構な数のテストを繰り返して完成した
JーENGINE レーシングギアオイル75W80
(LSD対応)
¥3800(1L、税別)
をおすすめしています。
もちろんLSDの無い車でも問題なし!
去年から今年の真冬の朝一もギアの入りは良く
サーキット走行で他社高級オイルでギア鳴りが出ていたものも
これに変えたら解決したとか
良い結果が出ております。
シフトフィーリングは節度感があって
なかなか良いですよ。
ぜひ一度お試しあれ!!