オイル下がり修理

| Posted in , , , , , , | Posted on 2012/02/25

オイル下がりとは、エンジンオイルがシリンダーヘッドに付いているバルブバルブガイドの隙間を通過して、燃焼室に入り込み、燃焼して排気されてしまうことを言います。
もちろん、エンジンオイルは消費してしまうので減っていきます。

エンジンオイルが減る原因はこれだけではないですが、心当たりがある人は
疑ってみても良いと思います。

完全に燃焼して排気されるだけならまだ良いほうですが(この時、酷いと白煙を吹きます
燃えカスがプラグに付着して点火を妨げたり、バルブの傘の上に蓄積して
吸気や排気の通路を小さくしてしまうことがあります。

通常、エンジンにはバルブとガイドの隙間に出来るだけオイルを通過させないように
オイルシール(バルブステムシール)が付いていますが、これが機能しなくなったり、
バルブステムとガイドの隙間が大きくなるのが原因です。

今回のルノー4は、純正ではステムシールが付いていません。
5アルピーヌなども付いていませんので設計の古いエンジンは
わざと、潤滑のために付いていないのかもしれませんね。

とはいえ、エンジンが不調になっては意味がありませんので、各部加工しながら
改善&修理です。




純正のガイドは(スチール製)、クリアランスが大きくなっていたので、ガイドを銅で
適正寸法にて製作、ステムシールが取り付けできるように寸法を合わせながら
入れ替えました。





ガイドを入れ替えましたら、必ずシートカット&バルブ研磨をします。
アタリが悪くなると、圧縮不良など不具合が起こります。
また、当たり面が太くなってしまうと、密閉が悪くなりますので
これも圧縮漏れなどの原因になってしまいます。
仕上げに、すり合わせをして、なじみをよくします。





光明丹(画像のオレンジ色のオイルみたいな奴)で、バルブとシートの当たりを
必ず確認しておきます。
これをすべてのバルブに行います。
細くきれいにあたっていますね。
(撮影のため、光明丹はいっぱい塗ってありますが通常はもっと少なく塗るのがコツです)




新設したステムシールを取り付けて、
バルブスプリングなど組み付けて行きます。




ヘッド単品は組み上がりました。
4気筒2バルブですので8個で済みますが、
最近の4気筒4バルブですと16個、6気筒4バルブですと24個、12気筒ですと・・・・・・・・・
気が遠くなります。




補器類など組み付けて、ブロックにのせ、バルブクリアランスを調整して
(まだまだ途中ありますが)完成にこぎつける訳です。